李世先輩は私のことを知り尽くしている?

俺にできること(Side李世)

Side 李世

陽茉ちゃんと同じグループになれたのは、必然だった。


心を読み、心証の良い行動をとることが得意な俺は、先生に信頼されている。


そこで、グループ決めの相談を受けたのだ。


どういう組み合わせが、一番問題が起きないと思うか?――と。



学校で平穏な生活を送る以上、必要最低限はクラスメイトと目を合わせなければならないので、ある程度の情報は持ち合わせている。


もちろん、色恋沙汰なんかのも。



そこで俺は、できる限り問題の起きない組み合わせを真剣に考える代わりに、ちゃっかり自分を陽茉ちゃんと同じグループに入れたのだ。


青矢にはそのことについて話さなかったけれど、グループ分けを一目見た時に「職権乱用だな」とつぶやいていたので、どうやらお見通しらしい。


自然教室にはとある『ジンクス』もあることだし、上手いこと同じグループになれて、正直舞い上がっていた。



でも、どうやら陽茉ちゃんには、何か心配事があるらしい。
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