時間切れ
今日もお義母さんと私は和室で布団を敷いて寝る。
陸は、お風呂に入って自分の部屋に行った。
私は、ソファーに座っていたお義母さんに
「お義母さん、ちょっといいですか?」
「何〜 のりちゃん。」
鞄から通帳と印鑑を出し、お義母さんのひざの上に置いた。
「これは、お義母さんと一緒に暮らすようになってから毎月お義母さんが渡してくれていた生活費です。
最初の3年分は使わせていただいたんですが、お義母さんの名義でずぅーと貯めていました。
私は、慎一さんが最初に浮気した時からいつか離婚するかも知れないと思って…
お義母さんが、お金に困らないように貯めてました。
すみません。私の辛抱が足りなくて…
こんな結果になってしまって…
お義母さんが定年退職する60歳までの10年分があります。」
「のりちゃん〜 どうして使わなかったの〜」
「へへへ… 慎一さんに追い出されるかもしれないと思って…」
弘美は、苦しい家計をやり繰りしていた典子を知ってたから涙がポロポロ出て泣いた。