時間切れ
慎一は篠原弁護士から典子たちの引っ越し作業終了と、鍵、権利書のことを電話で聞いた。

車も売り、電車で自宅に戻った慎一…

2階へ上がってみた…
陸の部屋の扉が開いていて、中を覗く…

「空っぽ…」

寝室を開けて覗くと、クローゼットの扉が開けていてものの見事に典子の物だけなくなっていた。

ドレッサーの化粧品や引き出しの物も全て空っぽ…

母さんの部屋も空っぽだった。

リビングには篠原弁護士からの連絡通り権利書と鍵と、健康保険証があった…

台所の物も、殆どなくなっていた。

冷蔵庫の中の物はシンクに置いてあった…

家族という絵が ビリビリと破かれたような気分になった慎一。

離婚… 夫婦が縁を切るってこういうことなんだなぁ〜
母さんはこの思いを知ってたからあんな契約を俺としたのかなぁ…

母さんが言ってた《因果応報》何を言ったってあとの祭かぁ…
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