時間切れ
住宅街にうっそうと木々に囲まれたなかに白いレストランがあった。
駐車場に車を停めて、一也さんが先頭でお店へ向かう。
カランカランとドアのベルが鳴り中からエプロンをした綺麗な女性が出てきて
「一也! お待ちしてました!さあ〜 こちらの席へ。
今、ヒトシも顔出すから、待っててね! ヒトシ〜 一也が来たよ〜」
「オ〜 今行く〜」
「陸、典子さん。こちらは、同級生だった絵梨《えり》で、親友の 安田 仁《ひとし》の奥さんです。
絵梨、こちらは、
南 典子さんと息子さんの 陸くんです。
今日は陸くんが俺らの母校に入学祝いで、安田のところに食べに来たんだ!」
「オ〜 一也!久しぶり! 何? お前再婚したの? 」
バシ!☆ 絵梨に思いっきり叩かれた仁!
「ヒトシ! 失礼でしょ!すみません。南さん!」
「いって〜 骨折れたわ!」
「夫婦漫才はいいから…
南 典子さんと、陸くんで、今日、俺らの母校に入学したからお祝いの食事なんだ。
典子さんは、ウチの事務所の経理で働いてもらってるんだ。」
「それは、失礼いたしました!
一也の友人で、オーナーシェフをしております安田 仁と申します。
陸くん!入学おめでとう!
じゃあ、ジャンジャン作ってくるからね〜」
と、手を振りながら厨房へ行ってしまった。