時間切れ
「陸、何で弁護士を目指すって決めたんだ?」
「最初は、離婚した母さんをラクさせたいからだったんだけど…
父さんの誕生日聞いた時… あの親父と…
その〜 同じ歳だったんだ…
でも2人は、全然違う人生というか…
あの親父は、不倫して…
母さんや家族を傷つけたけど、
一也さんはそんな俺たちを救いあげてくれた。
正しい考え方で過ごせば、世の中の役にたつ大人になれると思ったんだ。
だから、父さんみたいな弁護士になりたいんだ!」
陸の部屋のドア近くで陸の話しを聞いた典子。
涙がポロポロ出て、エプロンで目を抑えた。
「ありがとう、陸。 俺のことそんな風に思ってくれてたんだね。 嬉しい…な」
「そうだったんだな! じゃあ、一也!
俺たちも、陸の司法試験まで家族としても先輩弁護士としてもサポートしないとな!」
「あぁ、そうだね。そうするよ。
父さん、
俺さ〜、ノンと結婚して本当に良かったよ」
陸が、またノロケてるぅ〜と 冷やかし3人で笑っていた。
典子はキッチンに行き、みんなのお茶を淹れてリビングから 「お茶入ったよ〜!」と声を掛けた。
「は〜い」と返事と共に3人でリビングにきて、お茶を飲んだ。