時間切れ

「10万円ぶんの 包丁ってそんなにたくさん買うのかなぁ〜」

「陸、コックさんや板前さんは自分専用の包丁をオーダーメイドで作る人が多いんだよ。

柄の部分のグリップも自分の手に馴染むようにしたり、用途によって使う包丁も違うからな。
10万円なら、1本しか買えないと思うぞ〜」

「え! 1本!そんなに高いの?」

「コックさん達にとっては、大切な道具だ。
その大切な包丁で美味しい料理を作ってお客様に喜んでもらうんだよ。
床屋さんや、美容師さんたちのハサミや、
プロ野球選手だって自分専用のグローブだろ」

「そうかぁ〜。」

美味しいランチを食べ終え、レジで絵梨さんにお土産を渡す。

すごい大量でビックリされた。

10枚のTシャツにチョコも3箱入っているし、
小さなコアラのぬいぐるみも入っている。

「ぬいぐるみは、絵梨さんのお土産です。」

「一也〜、典子さん、ありがとう。」

「また、来るからな。ヒトシにヨロシクな」

私たちは、車でマンションに戻った。

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