時間切れ

入院に必要な物もボストンバックにつめ、お風呂にも入りベッドで横になる。

そこへお風呂から上がってきた一也が電気を消してベッドに入ってきた。

一也は私を抱き寄せ、背中をさすりながら、

「ノン、俺と結婚してくれてありがとう。
ネクタイも大切にするな!」

「私も、結婚してくれてありがとう。大好きよ。ふふふ。
たくさんプレゼントも嬉しかったし、お花も綺麗だったし、明日は新しいバックで病院へ行くつもりよ! 
鍵もキーケースに付け替えたの。ありがとう」

「感謝の気持ちと、愛してる気持ちには足りないけどね! チュ!
ノン、明日から検査が始まるけど…どんな気持ち? 
俺だけには本音をぶつけてくれないか?」

「怖い… 不安… かな〜
でもね一也さん、私どんなにツラい治療もみんなの前では笑顔でいたいの…

だから貴方だけにはツラいとか、痛いとか酷い事も言うかもしれない。
でもね、貴方なら受け止めてくれるって思ってる。 イヤな役目をさせてゴメンね。」

「謝るなよ、 俺たち夫婦だろ?ツラい時も楽しい時も、嬉しい時も2人で歩もうよ。 な!」

「うん。 一也さんの奥さんになって本当に良かった… 愛してる…一也さん。」

典子は、ぎゅーと抱きつき、一也の胸に顔を埋めて泣いた。

一也は、背中をさすってくれた。

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