時間切れ
1階のロビーで、陸と座っていた翔太くんも、都会の大きな病院に興味深々!
案内板を見ていた。内科も色々あるし、外科も色々あり、眼科、皮膚科、産婦人科と科がたくさんある。
小さな声で…
「陸にいちゃん、こんなにいっぱい科があるって事は、それだけたくさんのお医者さんがいるんだね。びっくりしたわ」
「でもさ、太郎爺ちゃんや悟先生は何でもわかる先生だから、内科も外科も何でも勉強をたくさんしたと思うよ?
ここの先生は一ヶ所の事を詳しく勉強してるお医者さんなんだと思うよ。」
「じゃあさ、太郎爺ちゃんもウチのお父さんもいろんな病気に詳しくなるように凄く勉強したんだね…」
「うん? どうした翔太くん。」
「この前、お父さんにさ、"お父さんのバカ"って言っちゃったんだわ〜
ウチのお父さんは、馬鹿じゃあないのに…
いっぱい勉強してお医者さんになったのに…」
「翔太くん、コレを写真撮ってお父さんに見せて、お医者さんになる時にどの科で勉強したか聞いてごらん。
たぶん全部だと思うよ!」
「え! 全部〜? だっていっぱいあるよ?」
「うん。翔太くんのお父さんは患者さんを助ける為に、いっぱい勉強したと思うもん。」
翔太くんは、小学生なりに自分の父親の凄さを感じたようだ。