時間切れ

「そんな金無いだろ！」

「その件でご提案ですが、
離婚後は共有財産を折半になりますので、こちらの家を売却しローンの精算後の残金は折半になりますし貯金も折半になります。
車もできますが…奥様はどうしますか？」

「車は、私は乗らないのでローンも半分残ってますが、主人にあげます。」

「ご主人よろしいですか？」

「典子！　貯金はいくらあるんだよ！」

「じゃあ、今　通帳持ってくる。」

典子は、数冊の通帳を持ってきた。

陸の学費用としての積み立て貯金もあった。

「奥さん、早川慎一さん、典子さん、陸さん。
家族名義の貯金通帳はもう有りませんか？」

「はい。これだけです。
普通貯金と積み立て貯金です。」

合わせた合計金額は、620万円だった。

「今、計算すると、ざっと　620万円ですね。
これを折半します。ご主人よろしいですか？」

「はあ、　貯金がこれだけか〜 」