時間切れ

「これは、公証を受けているんだ!こんな風にこじれるとイヤだからね〜。
じゃあさ、私が直接慎一の会社へ行って人事部や総務課に説明して、給料差押えにしてもらおうか?」

「はあ? 会社に知れたらマズイだろ!
親子で争ってるってウワサになると、オレの出世にも関わるんだぞ!」

「じゃあ、文句言わないで払いなさいよ!
1.000万円! 一括だからね! 
親子だから〜 支払い期限は来月の末日までにしてあげるわ!」

「オイ!母さん!
典子への慰謝料だって 500万あるんだぞ!」

「ふ〜ん。
ねぇ慎一、わかってる?悪いのは全部お前なの!
因果応報って 言葉知ってる?
良い行いをしたら、良い結果になり、
悪い事をしたら、悪い結果になるんだよ!
いい歳こいて、何をやってんだか… 呆れる…」

「そんなこと言ったって、金なんか無い!」

「私からの提案ですが…以前、別の方は会社に退職金の一部前借りとして会社から借入れされた方がいましたよ。」

「慎一、私が人事部や総務課に行くよりお前が会社で聞いてきな! 
来月の末日までだからね!」

弘美は一也に無言で何かを伝えたようだが、一也は首を横に振った。


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