ハージェント家の天使
マキウスの母親は、マキウスの出産時に体調を大きく崩して、ほとんど寝たきりの生活を送っていた。
元々、身体が強くなかったらしいが、マキウスの出産の際に、身体に大きな負担を掛けたのが原因らしい。
それは、出産が母子の体調に大きな影響を与える事に他ならないからだろう。
マキウスが慌てて帰宅すると、既にヴィオーラが手配をしていたようで、ヴィオーラとマキウスの姉弟と、アマンテとアガタの姉妹を育てた経験のあるマキウスの乳母だったペルラと、出産経験のあるペルラの娘のアマンテが屋敷に居た。
2人は「モニカ」を説得して、部屋から出そうとしていた。
マキウスも2人に協力して、ようやく「モニカ」が部屋から出てきた。
その時には、「モニカ」のお腹は既に大きく膨らんでいた。
そこから、親娘は出産の用意をしていき、「モニカ」の手伝いや、初めての出産で心細くならないように話しもしてくれた。
そうして、「モニカ」は無事にニコラを産んだ。
だが、もし何も用意をしていなかったらと思うと、マキウスの顔は真っ青にならざるを得なかったのだった。
「その時の名残もあって、ペルラとアマンテは屋敷に残っています。屋敷と育児について詳しいペルラをメイド長に、まだ乳が出ていたアマンテを乳母に命じました」
それでも、「モニカ」は出産後、またニコラと2人で部屋に閉じこもるようになったので、実際に乳母であるアマンテが必要となったのは、その後だったが。
「その時の罪滅ぼしの意味もあり、ニコラが産まれてからは父親として、『モニカ』の夫として、男爵家の当主として、相応しい人になろうと思いました。頼られる男になろうと。
目が覚めた貴方や、貴方が『モニカ』では無い事を、私達だけの秘密にしようとしたのも、私だけを頼って欲しかったからです。
そう考えると、貴方とニコラを利用しようとしていたのは、私も同じ事です」
妊娠を明かした際に「モニカ」に何もしていなかった罪滅ぼしと、マキウスが無知だったせいで危うく無事に産まれなかったかもしれないニコラの為にも。
マキウスは夫として、父親として、相応しい人になろうとした。
「私も貴方達に相応しくないかもしれない。けれども、勝手に決めつけないで下さい。貴方自身が相応しくないと決めつけたら、誰が相応しいと言うのですか?」
「それは……」
元々、身体が強くなかったらしいが、マキウスの出産の際に、身体に大きな負担を掛けたのが原因らしい。
それは、出産が母子の体調に大きな影響を与える事に他ならないからだろう。
マキウスが慌てて帰宅すると、既にヴィオーラが手配をしていたようで、ヴィオーラとマキウスの姉弟と、アマンテとアガタの姉妹を育てた経験のあるマキウスの乳母だったペルラと、出産経験のあるペルラの娘のアマンテが屋敷に居た。
2人は「モニカ」を説得して、部屋から出そうとしていた。
マキウスも2人に協力して、ようやく「モニカ」が部屋から出てきた。
その時には、「モニカ」のお腹は既に大きく膨らんでいた。
そこから、親娘は出産の用意をしていき、「モニカ」の手伝いや、初めての出産で心細くならないように話しもしてくれた。
そうして、「モニカ」は無事にニコラを産んだ。
だが、もし何も用意をしていなかったらと思うと、マキウスの顔は真っ青にならざるを得なかったのだった。
「その時の名残もあって、ペルラとアマンテは屋敷に残っています。屋敷と育児について詳しいペルラをメイド長に、まだ乳が出ていたアマンテを乳母に命じました」
それでも、「モニカ」は出産後、またニコラと2人で部屋に閉じこもるようになったので、実際に乳母であるアマンテが必要となったのは、その後だったが。
「その時の罪滅ぼしの意味もあり、ニコラが産まれてからは父親として、『モニカ』の夫として、男爵家の当主として、相応しい人になろうと思いました。頼られる男になろうと。
目が覚めた貴方や、貴方が『モニカ』では無い事を、私達だけの秘密にしようとしたのも、私だけを頼って欲しかったからです。
そう考えると、貴方とニコラを利用しようとしていたのは、私も同じ事です」
妊娠を明かした際に「モニカ」に何もしていなかった罪滅ぼしと、マキウスが無知だったせいで危うく無事に産まれなかったかもしれないニコラの為にも。
マキウスは夫として、父親として、相応しい人になろうとした。
「私も貴方達に相応しくないかもしれない。けれども、勝手に決めつけないで下さい。貴方自身が相応しくないと決めつけたら、誰が相応しいと言うのですか?」
「それは……」