ハージェント家の天使
「マキウス様を引き抜いただけではなく、屋敷や使用人まで用意してくださったんです。そこまで面倒を見てくださる隊長ーー上司は、なかなかいませんよ」
モニカは御國だった頃を思い出した。
他県の会社に異動になった時、会社自体は住居や引っ越し費用を用意してくれるかもしれない。
だが、上司がそこまで面倒を見てくれる事はなかなか無いような気がした。
「そう、ですね……」
モニカの指摘に、マキウスはどこか遠い目をしたのだった。
「そろそろ、夜も更けてきました。もう休みましょう」
立ち上がりかけたマキウスの袖を、モニカは慌てて引いた。
「あの、1つだけ! マキウス様にお願いしたい事があるんです!」
マキウスは瞬きをすると座り直した。
そうして、モニカをじっと見つめたのだった。
「私に出来る事でしたら、構いませんよ」
マキウスに促されると、モニカの顔はだんだん赤くなっていった。
「た、大した事では無いんです。ただ、マキウス様が良ければのお話なので……」
「どんなお話ですか? 言ってみて下さい」
マキウスが身体を近づけながら促してきた。モニカは覚悟を決めると、口を開いたのだった。
「あの、マキウス様のお耳を触らせて下さい!」
マキウスの身体が固まった。上を向いて自分の頭に視線を向けたのだった。
「……私の耳ですか?」
「はい! 最初に会った時から、マキウス様の……。皆さんのお耳がとてもモフモフしていそうで、気持ち良さそうで……。ずっと触りたいって思っていたんです!」
モニカは両手で赤くなった頬を押さえた。
「勿論、駄目ならいいんですが……」
マキウスが困っているように見えたモニカは首を振った。
けれども、マキウスは唇をギュッと結ぶと頷いたのだった。
「構いませんよ。私でよければ」
「えっ……? いいんですか? ありがとうございます!」
モニカはマキウスにそのまま座っているようにお願いすると、マキウスの正面に回った。
マキウスの間に挟んで座るように膝をつくと、首の後ろに手を回した。
後ろから腕を回すと、マキウスの耳に触れたのだった。
「うわっ……! やっぱり、モフモフしてる!まるで、犬や猫みたい!」
耳はフワフワ、モフモフしていた。
モニカは耳の裏側の黒色の毛の部分を撫で回していた。
モニカは御國だった頃を思い出した。
他県の会社に異動になった時、会社自体は住居や引っ越し費用を用意してくれるかもしれない。
だが、上司がそこまで面倒を見てくれる事はなかなか無いような気がした。
「そう、ですね……」
モニカの指摘に、マキウスはどこか遠い目をしたのだった。
「そろそろ、夜も更けてきました。もう休みましょう」
立ち上がりかけたマキウスの袖を、モニカは慌てて引いた。
「あの、1つだけ! マキウス様にお願いしたい事があるんです!」
マキウスは瞬きをすると座り直した。
そうして、モニカをじっと見つめたのだった。
「私に出来る事でしたら、構いませんよ」
マキウスに促されると、モニカの顔はだんだん赤くなっていった。
「た、大した事では無いんです。ただ、マキウス様が良ければのお話なので……」
「どんなお話ですか? 言ってみて下さい」
マキウスが身体を近づけながら促してきた。モニカは覚悟を決めると、口を開いたのだった。
「あの、マキウス様のお耳を触らせて下さい!」
マキウスの身体が固まった。上を向いて自分の頭に視線を向けたのだった。
「……私の耳ですか?」
「はい! 最初に会った時から、マキウス様の……。皆さんのお耳がとてもモフモフしていそうで、気持ち良さそうで……。ずっと触りたいって思っていたんです!」
モニカは両手で赤くなった頬を押さえた。
「勿論、駄目ならいいんですが……」
マキウスが困っているように見えたモニカは首を振った。
けれども、マキウスは唇をギュッと結ぶと頷いたのだった。
「構いませんよ。私でよければ」
「えっ……? いいんですか? ありがとうございます!」
モニカはマキウスにそのまま座っているようにお願いすると、マキウスの正面に回った。
マキウスの間に挟んで座るように膝をつくと、首の後ろに手を回した。
後ろから腕を回すと、マキウスの耳に触れたのだった。
「うわっ……! やっぱり、モフモフしてる!まるで、犬や猫みたい!」
耳はフワフワ、モフモフしていた。
モニカは耳の裏側の黒色の毛の部分を撫で回していた。