ハージェント家の天使
「この屋敷だと旦那様ですね」と、エクレアは予備のオムツを出してくれながら説明してくれたのだった。
「そうなんですね……。じゃあ、私は開けられないんですね」
確か、モニカ達のような人間は、魔力を持っていなかった筈だった。
モニカは肩を落としていると、エクレアは首を振った。
「いいえ。モニカ様のようなユマン族も、魔法が宿ったアクセサリーや小物があれば開ける事が出来ます」
「それじゃあ、私も!?」
モニカは顔を上げた。エクレアは何やら考えているようだった。
「そうですね……。魔法石ならモニカ様も扱えるかもしれません」
「魔法石?」
モニカが首を傾げると、エクレアは「はい、魔法石です」とだけ答えた。説明する気は無いようだった。
「旦那様に相談してみてはいかがでしょうか? どのみち、この屋敷内は旦那様が許可した者しか開けられません」
そうして、モニカはエクレアと共に部屋から出たのだった。
「モニカ? ここで一体どうしたのですか?」
その日の夜、湯浴みを済ませたマキウスが寝室にやってくると、部屋のバルコニーにモニカがいたのだった。
「マキウス様」
目を丸くしたマキウスは、バルコニーにやってくるとモニカの隣に並んだのだった。
「ずっと、ここに居たのですか? 呼んで頂ければ、部屋まで行ったというのに……」
夫婦にはなったが、モニカとマキウスは未だに別々の部屋で夜を過ごしていた。
これまで通り、夜になるとマキウスがモニカの部屋を訪ねていたのだった。
今夜のように、モニカからマキウスが居る寝室を尋ねて来るのは珍しかった。
「ここからだと、騎士団のお城が見えるんですね」
モニカの視線の先には、白色の魔法の光に照らされた騎士団の本拠地である城と外壁があったのだった。
「そうですね。さあ、風邪を引くので、部屋に戻りましょう」
「マキウス様」
モニカはマキウスを見つめた。
「私も、魔法石が欲しいです」
モニカはマキウスなら2つ返事で、良いと言ってくれると考えていた。
けれども、マキウスは眉を顰めただけだった。
「駄目ですか? 魔法石が無いと、この屋敷内も自由に歩けなくて……」
モニカは両手をぎゅっと握った。
何かマズイ事を言ってしまっただろうかと、モニカが不安になった頃だった。
マキウスは「わかりました」とだけ答えた。
「そうなんですね……。じゃあ、私は開けられないんですね」
確か、モニカ達のような人間は、魔力を持っていなかった筈だった。
モニカは肩を落としていると、エクレアは首を振った。
「いいえ。モニカ様のようなユマン族も、魔法が宿ったアクセサリーや小物があれば開ける事が出来ます」
「それじゃあ、私も!?」
モニカは顔を上げた。エクレアは何やら考えているようだった。
「そうですね……。魔法石ならモニカ様も扱えるかもしれません」
「魔法石?」
モニカが首を傾げると、エクレアは「はい、魔法石です」とだけ答えた。説明する気は無いようだった。
「旦那様に相談してみてはいかがでしょうか? どのみち、この屋敷内は旦那様が許可した者しか開けられません」
そうして、モニカはエクレアと共に部屋から出たのだった。
「モニカ? ここで一体どうしたのですか?」
その日の夜、湯浴みを済ませたマキウスが寝室にやってくると、部屋のバルコニーにモニカがいたのだった。
「マキウス様」
目を丸くしたマキウスは、バルコニーにやってくるとモニカの隣に並んだのだった。
「ずっと、ここに居たのですか? 呼んで頂ければ、部屋まで行ったというのに……」
夫婦にはなったが、モニカとマキウスは未だに別々の部屋で夜を過ごしていた。
これまで通り、夜になるとマキウスがモニカの部屋を訪ねていたのだった。
今夜のように、モニカからマキウスが居る寝室を尋ねて来るのは珍しかった。
「ここからだと、騎士団のお城が見えるんですね」
モニカの視線の先には、白色の魔法の光に照らされた騎士団の本拠地である城と外壁があったのだった。
「そうですね。さあ、風邪を引くので、部屋に戻りましょう」
「マキウス様」
モニカはマキウスを見つめた。
「私も、魔法石が欲しいです」
モニカはマキウスなら2つ返事で、良いと言ってくれると考えていた。
けれども、マキウスは眉を顰めただけだった。
「駄目ですか? 魔法石が無いと、この屋敷内も自由に歩けなくて……」
モニカは両手をぎゅっと握った。
何かマズイ事を言ってしまっただろうかと、モニカが不安になった頃だった。
マキウスは「わかりました」とだけ答えた。