その呪いは、苦しみだけではなく。
その呪いは、苦しみだけではなく。
祖母の遺言でお見合いをすることになった。
都内から離れた田舎に生まれた時から暮らしてきたので理解しているが、婚期を逃した女は、暇を持て余した老人たちの格好の噂の的だ。
今年で三十一歳で、誰とも頑なに付き合わなかった私を、祖母だけが理解してくれていると思っていたのだが、その祖母の遺言だった。
面倒くさい。
消えてしまいたい。
どうせ私は、彼以外を好きになることはない。
呪いのように私に目隠しする言葉があった。
祖母が買ってくれたイヤリングを付けながら、彼の好きだった私から十八年が過ぎてしまった自分を見る。
綺麗だと笑ってくれるだろうか。
オバサンだと笑うだろうか。
私の中の恋人は、太陽のように真っ直ぐで純真無垢な十三歳の少年だ。
いつも私に元気をくれた彼は、最後に私へ呪いをかけたのだった。
それは一生、彼以外には解けない呪い。
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