あの丘の向こうで
光「ん………うーん…」

目が覚めると重く感じる瞼を擦って周囲を見渡す。

光「嘘………寝過ごした〜〜〜!誰か起こしてくれてもいいのに…」

よく見ると窓の外は太陽が沈みかけていて薄暗くなり始めていた。

光「早く帰ろうっと。」

帰ろうとカバンに手をかけようとしたその時―――


ガラガラ!

不意に教室のドアが開いた。

先生「誰だそこにいるのは?なんだ光か、まだいたのか?………じゃないな、まだ寝てたのか?つーかもう遅いし暗いから早く帰れよ。」

担任が教室から出ようとしたとき…



グゥ〜〜〜〜〜〜!


光「あっ………」

先生「………仕方ないな飯でも食いに行くか?」

光「いや、大丈夫です。早く帰らないと暗くなっちゃうので。」

この時光はなぜか一緒に行っては行けないと思いさりげなく断ったが―――


先生「金のことは気にしなくていいぞ。子供がそんなに気を遣う必要はない。」

そう言ってツカツカと光に歩み寄る………




が、しかし担任は歩みを止めていきなり後ろに飛び退く。

光は突然のことで何がなんだか分からないでいた。

先生「………誰だ。」

担任は開いているドアの向こうを見据える。

絵美里「光様に気安く触るんじゃない!」

いきなり絵美里の声がしたかと思うと担任が、ガシャーン!という音と一緒に窓の外に吹き飛ばされる。

光「………えっ?」

光はもう何がなんだか分からないでいる。

絵美里「ここは危険です!光様、私と一緒に来てください。理由は海翔様がいらっしゃるまでは言えませんが…私を信じてください。」

絵美里が光に近づくが、光は何がなんだか分からないためオロオロしていると…

先生「ったく。なんてことしやがんだ『微笑の氷姫』さん?」




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