あの丘の向こうで
スピッツ「まぁまぁ…そんなに焦るなよ。」

亜紀人「何を言って「あの娘がクロム国の―――

























次期第一王子の嫁候補

そんなんだから俺からあの娘を遠ざけたいんでしょ?」」

スピッツはニコニコと笑っている。

亜紀人「もうそこまで…仕方ない、もう何も喋るな…」

スピッツ「あっ怒っちゃった?」

亜紀人「不愉快だ…『咲き狂え紅花(ベニバナ)』」

先ほどまで白かった二本の刀は血に染まったような赤くなり、瞳の色も黒から赤になった。

スピッツ「なんだそれ?あいつからはこんなの聞いてねぇぞ…」

亜紀人「もう喋ったらあかんよ。舌噛んでまうさかい…」

ゾクリ―――

スピッツはもうこれ以上こいつに関わってはいけないと思う。しかし、体がいうことをきかないため逃げたくても動けない。

スピッツ「うっ………あぁ…………」

亜紀人「可愛そうな人やな…下手に意識保とうとするから苦しんでまうねん。まぁ楽にしたるさかいじっとしときや?」

スピッツ「ぐっ………た…たすけ…」

あまりの苦しさに膝をついて亜紀人に助けを乞う。

亜紀人「ほな、おおきにな…」

スピッツの首をめがけて刀を降り下ろす―――




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