兄とあたし
 あたしは、幼稚園の年長になった。
 年長になると、弟は、歩けるようになっていて、あたしを幼稚園に送ると、祖母は、毎日、商店街で、買い物をして、弟に、おもちゃを買っていた。
 幼稚園から帰ると、増えてるおもちゃ…。
 あたしは、ムカついて、弟をいじめた。
 まだ、告げ口出来る年齢じゃなかったから、いじめ放題だった。
 が、話せるようになると、告げ口されるので、いじめれなくなった。
 ある日、弟は、縄でできた、ヘビを買ってもらっていた。
 義父は、それを使って、あたしを、水膨れがいくつも出来るくらい、叩いてきた。
 それも、幼稚園でバレないように、服の下を、叩かれた。
 それは、とても痛くて、大泣きをしたが、泣けば、「うるさい!!」と祖母、義父、母に言われ、義父は、更に、叩いてきた。
 あたしは、どんなに痛くても、泣く事も許されなかった。
 あたしは、逃げるように、2階に行った。
 2階に行くと、りのがいた。
 りのは、男の子と一緒にいた。
 「えり、大丈夫?」
 あたしは、首を横に振った。
 「泣きたくても、泣けないの。
泣いたら、叩かれる…。」
「そっか…。
ごめんね。
守れなくて…。」
「ううん…。」
 あたしは、男の子の方を見た。
 「その子は誰?」
「ゆうきって言うの。
わたしの友達よ。」
 あたしは、この日、ゆうきとも友達になった。
 りのも、ゆうきも、あたしが、幼稚園から帰ると、一緒に遊んでくれた。
 あたしは、りのと、ゆうきと、遊ぶのが、大好きだった。
 義父に、暴力を振るわれても、「(りのと、ゆうきがいる。)」と思えば、耐えることができた。
 3人で仲良く遊んでいたら、夢香と言う、少しお姉さんが来た。
 夢香に、年を聞いても、教えてくれなかったけど、雰囲気からして、小学生の高学年に見えた。
 夢香に会ってから、義父に叩かれるのが、夢香になった。
 夢香は、「私が、1番年上だから。」と、ばかり言っていた。
 夢香が叩かれてても、あたしは、怖くて、足が動かなかった。
 義父の暴力が終わると、あたしは、夢香に「ごめんね。」しか言えなかった。
< 5 / 18 >

この作品をシェア

pagetop