兄とあたし
 あたしは、小学5年生になった。
 そして、人生を壊された…。
 相変わらず、全授業は、体育だったが、運動神経が良かった、あたしは、男子に妬まれ、女子は、女子で、ボス的存在の子より、髪が長かったのが、妬まれた。
 今になって、理由を知れば、「そんなことで?」と言いたくなるけど、当時は、分からなくて、落ちてくしかなかった。
 いじめ方は、あたしをバイ菌扱いすることだった。
 あたしが、触った物は、バイ菌がついて、スプレーをしないと、バイ菌が取れないというもの。
 みんな、あたしが、触ったものに、「プシューッ。」と、声を出し、スプレーを吹きかける、真似をした。
 「(じゃあ、触らなきゃいいじゃん。)」と思って、他の子の机を触らなかったら、「掃除をサボった!」と言って、いじめられた。
 あたしの声すらも、「バイ菌だ。」と言われ、何も言えなくなった。
 家では、「お前の話しなんて、誰も聞いてない。」と言われ、あたしは、家でも学校でも、声を出せなくなり、居場所をなくした。
 あたしは、「(死にたい。)」と思うばかりになった。
 そんな、気持ちを知ってか、叔母が、こんなことを言った。
 「親より、早く、死んだ子は、どうなるか、知ってる?」
 あたしは、首を横に振った。
 「三途の川で、親が来るまで、石を積み上げるのよ。
でも、積み上がりそうになったら、鬼が積み上げた石を、壊しに来て、積み上がることはないの。
子どもは、ずっと、石を積み上げることになって、親を待つしかないのよ。」
 あたしは、この話を聞いて、「(今より、石を積み上げる方が楽じゃん。)」と思ってしまった…。
 そんなことを考えるまで、精神状態は、限界だった…。
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