解けない愛鎖

「俺をここに入れた時点で、リナにも浮気心があったんじゃないの?それに────、」 

ヒロキがあたしの手をグイッと強く引っ張る。


「リナだって本当は会いたいって思ってくれてたでしょ?」

耳元でささやかれた言葉に、隠しきれない恋慕で肩が震えた。

あたしの後頭部に手を回して引き寄せたヒロキが、額、左の瞼、左頬へとキスを落としていく。その気のないあたしを誘うときのヒロキのキスの仕方が、付き合っていた頃と変わらない。

懐かしい唇の柔らかさにも、あたしへの触れ方にも、身体の芯が震えそうにドキドキする。

だけど、唇が重なり合ったときに漂ってきた、少し甘さのキツい香りにむせ返りそうになった。


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