路地裏の唄
数時間前
律が連れて行かれたのはごく普通の民家だった。
「お勤めご苦労様です」
引き戸の玄関に入ってすぐ、振袖に袴姿の赤髪の少女に出迎えられる。
「ただいまヒナちゃん!
ラクさん書斎?」
県の問いにヒナと呼ばれた少女はキョトンとしたような顔で「あ、はい」とだけ返す。
くりくりとした髪と同色の瞳、
小さな鼻、
そして小さいわりに厚めの唇、
少女人形のような顔立ちだった。
「あ、りっちゃん。
この子は緋奈咫(ヒナタ)。
ラクさんのケータイだよ」
そう言って県が振り返る。
明かりの下に来ると青みがかって見える黒髪が揺れた。
ゲンラクとはどうやらケータイについて造詣の深い人物のようだが県達を含めどうやら国家機関であるワクチンソフト機関の人間ではないらしい。
緋奈咫は律に一度頭を下げると玖科から原十郎のコア・キューブを受け取り奥へと歩き出した。
県と玖科がそれについて行ったため、律もそれに続く。
律が連れて行かれたのはごく普通の民家だった。
「お勤めご苦労様です」
引き戸の玄関に入ってすぐ、振袖に袴姿の赤髪の少女に出迎えられる。
「ただいまヒナちゃん!
ラクさん書斎?」
県の問いにヒナと呼ばれた少女はキョトンとしたような顔で「あ、はい」とだけ返す。
くりくりとした髪と同色の瞳、
小さな鼻、
そして小さいわりに厚めの唇、
少女人形のような顔立ちだった。
「あ、りっちゃん。
この子は緋奈咫(ヒナタ)。
ラクさんのケータイだよ」
そう言って県が振り返る。
明かりの下に来ると青みがかって見える黒髪が揺れた。
ゲンラクとはどうやらケータイについて造詣の深い人物のようだが県達を含めどうやら国家機関であるワクチンソフト機関の人間ではないらしい。
緋奈咫は律に一度頭を下げると玖科から原十郎のコア・キューブを受け取り奥へと歩き出した。
県と玖科がそれについて行ったため、律もそれに続く。