路地裏の唄
「行けるか?」

「うん」




静かに、しかし確かに普段のおちゃらけた雰囲気とは違う調子で微笑む原十郎に頷くと、二人は目下、赤い瞳の獣が集まる裏路地へと身を投じた。
















そこにいるアンインストール分子は大小様々。
形態もいろいろだが赤く光る瞳は皆一緒だった。


そのど真ん中に降り立った二人に、獣達の意識が集まる。


律の長い前髪を、風が微かに揺らした。







「終わる時は、一瞬だから」























律の呟きの終わりを合図に、分子達が一斉に二人へと襲い掛かった。
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