王女ちゃんの執事4『ほ・eye』王女さんの、ひとみ。
「どうしたの? 兄ちゃん」
おれの気分には敏感な虎が二段ベッドの階段で足を止めた。
「なぁ、おまえ、ボランティアってどう思う?」
唐突なおれの問いに、虎は「うーん?」と応えて天井を見た。
「駅前のお掃除をしてくれてるひとたちを見ると、余裕があって、すごいなーえらいなーとは思うけど。半端な気持ちで仲間にはなれないし。ぼくには…まだ、無理、かな」
「…………」
思いがけなく真面目な返答に、ますます己の状況を思うおれ。
余裕なんてないんだよ、おれも。
町田は深刻な顔で『王女さまは、あのひとと残りました』と告げた。
だから?
そもそも見えない、感じないおれには、そんなのはどうでもいいことだ。
どうでもよくないのは町田が言っていたこと。
王女さまは『きっとあのひとを助けてほしいんですよ』だと?
助ける? 誰が?
「兄ちゃん」虎が階段からひょいと下りて、机の前で地蔵になっていたおれの首に温かな腕をまわしてきた。
「ぼく、役に立てる? なんかね、今そんな気がした。――変?」
「…………」
不感症なのはおれだけなのか。
今度は虎に頼んだかよ。
おれの気分には敏感な虎が二段ベッドの階段で足を止めた。
「なぁ、おまえ、ボランティアってどう思う?」
唐突なおれの問いに、虎は「うーん?」と応えて天井を見た。
「駅前のお掃除をしてくれてるひとたちを見ると、余裕があって、すごいなーえらいなーとは思うけど。半端な気持ちで仲間にはなれないし。ぼくには…まだ、無理、かな」
「…………」
思いがけなく真面目な返答に、ますます己の状況を思うおれ。
余裕なんてないんだよ、おれも。
町田は深刻な顔で『王女さまは、あのひとと残りました』と告げた。
だから?
そもそも見えない、感じないおれには、そんなのはどうでもいいことだ。
どうでもよくないのは町田が言っていたこと。
王女さまは『きっとあのひとを助けてほしいんですよ』だと?
助ける? 誰が?
「兄ちゃん」虎が階段からひょいと下りて、机の前で地蔵になっていたおれの首に温かな腕をまわしてきた。
「ぼく、役に立てる? なんかね、今そんな気がした。――変?」
「…………」
不感症なのはおれだけなのか。
今度は虎に頼んだかよ。