王女ちゃんの執事4『ほ・eye』王女さんの、ひとみ。
「さっきは――、叱ってくれてありがとう」
「いや、言いかたが悪かったっす。おれ――無礼で、すんません」
「…………」
「…………」
うーん。
この困った沈黙。
謝りたかったのは本当だけど。
このひとと仲良くなれ、助けろ、という指令はおれが受けたわけじゃないしなぁ……。
このひとがなににつらい思いをしているのか。
おれには見えない。わからない。
「うちにも犬がいてね。ちゃんとわかってたのにね。あんなものを子猫にあげちゃいけないのは」
「…………」
「…………」
再びの沈黙に身じろいだおれの足の間から、茶色い毛玉が現れた。
ンナァ ンナァ
「あ!」「あぁ?」
ふたりで言って。
ふたりでのぞきこむ。
「やべ。こいつら、人間に慣れちゃったよ」
言ってからしまったと思っても遅い。
「ご…めんなさい……」
案の定、おれは平泉さんの両手が薄いコートをしわくちゃにするのを見た。
そんなものを見せられれば、もう仕方ない。
おれがまたこのひとを不愉快にさせるまえに、虎とバトンタッチだ。
「いや、言いかたが悪かったっす。おれ――無礼で、すんません」
「…………」
「…………」
うーん。
この困った沈黙。
謝りたかったのは本当だけど。
このひとと仲良くなれ、助けろ、という指令はおれが受けたわけじゃないしなぁ……。
このひとがなににつらい思いをしているのか。
おれには見えない。わからない。
「うちにも犬がいてね。ちゃんとわかってたのにね。あんなものを子猫にあげちゃいけないのは」
「…………」
「…………」
再びの沈黙に身じろいだおれの足の間から、茶色い毛玉が現れた。
ンナァ ンナァ
「あ!」「あぁ?」
ふたりで言って。
ふたりでのぞきこむ。
「やべ。こいつら、人間に慣れちゃったよ」
言ってからしまったと思っても遅い。
「ご…めんなさい……」
案の定、おれは平泉さんの両手が薄いコートをしわくちゃにするのを見た。
そんなものを見せられれば、もう仕方ない。
おれがまたこのひとを不愉快にさせるまえに、虎とバトンタッチだ。