王女ちゃんの執事4『ほ・eye』王女さんの、ひとみ。
「だからさ。王女さんてどんな? ちと書いてくれよ」
「――――――は?」
「おれも知っときたいのよ。いわば同居してるようなもんなんだし」
「ぃや、おれ、絵は全然――…」
「全然っつったって! 目の前にいるんだから模写だろうが。できんだろ、そのくらい」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「加藤さん」
はい。
「ちょっとここに、おれを描いてみてくれますか」
「おまえを? なんでよ」
「いいからっ」
いつになくキツイ言いかたに面食らいつつ、上端に〔かとうあり〕と書かれたチビた鉛筆を手に取って町田を観察。
うむ。
輪郭、たまご。
耳、髪に隠れて見えねえじゃん。チャラ男だな。
眉、よくわかんね。全部見えねぇもん。
目、でかい。
鼻、ちっせえ。
口、ひん曲がって――…
「てめ。なに笑ってるよ」
「だって、加藤さん。それ…、失礼以外にどう言え…と?」
町田はもう顔面を両手で覆って肩を震わせている。
「あれ? 兄ちゃん、なにやってるの?」
背中からひょいとおれの手元をのぞきこんできたのは虎だ。
「ぶははははははは」
とたんに耳元で響いたバカ笑い。
なんだよ。
「そっくりだろが」
「心外です」「そだね」
同時に言って。
笑いこけている虎に町田が見せた顔。
「――――――は?」
「おれも知っときたいのよ。いわば同居してるようなもんなんだし」
「ぃや、おれ、絵は全然――…」
「全然っつったって! 目の前にいるんだから模写だろうが。できんだろ、そのくらい」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「加藤さん」
はい。
「ちょっとここに、おれを描いてみてくれますか」
「おまえを? なんでよ」
「いいからっ」
いつになくキツイ言いかたに面食らいつつ、上端に〔かとうあり〕と書かれたチビた鉛筆を手に取って町田を観察。
うむ。
輪郭、たまご。
耳、髪に隠れて見えねえじゃん。チャラ男だな。
眉、よくわかんね。全部見えねぇもん。
目、でかい。
鼻、ちっせえ。
口、ひん曲がって――…
「てめ。なに笑ってるよ」
「だって、加藤さん。それ…、失礼以外にどう言え…と?」
町田はもう顔面を両手で覆って肩を震わせている。
「あれ? 兄ちゃん、なにやってるの?」
背中からひょいとおれの手元をのぞきこんできたのは虎だ。
「ぶははははははは」
とたんに耳元で響いたバカ笑い。
なんだよ。
「そっくりだろが」
「心外です」「そだね」
同時に言って。
笑いこけている虎に町田が見せた顔。