王女ちゃんの執事4『ほ・eye』王女さんの、ひとみ。
「ひどいよ、とんちゃん」
おれには絶対に見せない、年相応の、こどもっぽいふてくされ顔。
ふん。
それがむかつくのは、町田がおれには礼儀正しい後輩の顔しか見せない理由が、たぶんおれに憑いている王女さんのせいだとは理解しているからだ。
おれには見えない、感じない女。
彼女と言葉は交わせないという町田が、見た目だけで王女だと崇めるんだから相当なババアなんだろうけどさ。
女がひとりいるせいで、男同士のバカ話もできない関係なんて、つまらねぇにもほどがある!
「おい。おれは書いたぞ。おまえも書きやがれ」
「おれは王女さまに、失礼なことはできません」
はぁぁああ?
「加藤さんが、それをおれだと言い張るより、おれ、無理ですもん。絵心ないんで」
「…………」
「わかっていただけました? 似てない似顔絵なんて意味ないし。申しわけないし」
ごりっぱな忠誠心、ごりっぱな執事だな。
でもおれは、あきらめねぇぞ。
おれには絶対に見せない、年相応の、こどもっぽいふてくされ顔。
ふん。
それがむかつくのは、町田がおれには礼儀正しい後輩の顔しか見せない理由が、たぶんおれに憑いている王女さんのせいだとは理解しているからだ。
おれには見えない、感じない女。
彼女と言葉は交わせないという町田が、見た目だけで王女だと崇めるんだから相当なババアなんだろうけどさ。
女がひとりいるせいで、男同士のバカ話もできない関係なんて、つまらねぇにもほどがある!
「おい。おれは書いたぞ。おまえも書きやがれ」
「おれは王女さまに、失礼なことはできません」
はぁぁああ?
「加藤さんが、それをおれだと言い張るより、おれ、無理ですもん。絵心ないんで」
「…………」
「わかっていただけました? 似てない似顔絵なんて意味ないし。申しわけないし」
ごりっぱな忠誠心、ごりっぱな執事だな。
でもおれは、あきらめねぇぞ。