王女ちゃんの執事4『ほ・eye』王女さんの、ひとみ。
腰をずらしてうつむき。
床に落ちたハンバーガーを拾うおれの肩を町田がつかんだ。
「いっ、てぇぇぇ」「加藤さん!」
「だから自分の力を考えろっていつ」
「も」は音にならずに消えた。
肩をつかんだ指に、その握力だけで立ち上がらされた衝撃で。
「加藤さん!」
「…………った」
痛みに身もだえるおれの肩を、さらなる衝撃が襲う。
町田がバンバンおれの肩を叩いている。
「引っ張ってます。加藤さんを引っ張ってます、王女さまが」
「……ぅ……」
ふざけるな。
おれを引っ張ってるのはおまえだ、町田。
おれはここにいる。
おれはここから一歩も動かねえぞ。
「は…な、せ、こら」
こんなときでも冷静に、人目をはばかって小声で訴える紳士なおれの手を、狼藉者の町田がつかんだ。
げぇ――っ!
おまえ、これ、普通に見たら、お手々つないだ高校生男子のランウエイだぞ。
しかもおまえ、自分のバッグは席に置きっぱなしじゃねえか。
知らねえぞ、おい!
あ、あ、あ、あ、あ。
おれのコーヒー。
おれの芋。
冷めた芋なんて、もう食い物じゃねえだろがぁぁぁ。
床に落ちたハンバーガーを拾うおれの肩を町田がつかんだ。
「いっ、てぇぇぇ」「加藤さん!」
「だから自分の力を考えろっていつ」
「も」は音にならずに消えた。
肩をつかんだ指に、その握力だけで立ち上がらされた衝撃で。
「加藤さん!」
「…………った」
痛みに身もだえるおれの肩を、さらなる衝撃が襲う。
町田がバンバンおれの肩を叩いている。
「引っ張ってます。加藤さんを引っ張ってます、王女さまが」
「……ぅ……」
ふざけるな。
おれを引っ張ってるのはおまえだ、町田。
おれはここにいる。
おれはここから一歩も動かねえぞ。
「は…な、せ、こら」
こんなときでも冷静に、人目をはばかって小声で訴える紳士なおれの手を、狼藉者の町田がつかんだ。
げぇ――っ!
おまえ、これ、普通に見たら、お手々つないだ高校生男子のランウエイだぞ。
しかもおまえ、自分のバッグは席に置きっぱなしじゃねえか。
知らねえぞ、おい!
あ、あ、あ、あ、あ。
おれのコーヒー。
おれの芋。
冷めた芋なんて、もう食い物じゃねえだろがぁぁぁ。