パラダイス、虹を見て。
14.答えが出ました
目の前に座る男は、本当に鬼のように怖い顔をしている。
私は、窓の外を見ながら地獄のような時間を過ごしている。
イナズマさんと約束をして一週間。
訓練中のサクラが早めに戻って来て、
「ドレスアップするからー」と言って。
いきなり、ドレスを着せられ化粧をしてカツラをかぶって…
舞踏会へ行くような余所行きの格好をさせられる。
サクラが用意したドレスは赤ワインのような深紅のドレスで。
今まで寒色系のドレスしか着てこなかった私に似合うわけないでしょと思ったのに。
鏡を見ると、意外すぎるくらいに似合っていたから驚いた。
「凄い…自分じゃないみたい」
思わず口ずさむと、サクラは「当然!」とドヤ顔で言い切った。
だけど、支度を終えて屋敷を出て。
出迎えてくれた男を見て。
嗚呼、帰りたいと。
家の前にいるにも関わらず、心の中で叫んだ。
以前、仮面舞踏会の時に送り迎えしたときのように。
イナズマさんもお洒落をしていた。
見慣れないスーツ姿に、ポケット部分からは赤い光沢のあるハンカチがはみ出ている。
「…ふうん」
頭のてっぺんからつま先までジロジロ見たイナズマさんの感想は。
ふうん…だけの一言。
どうせ、綺麗じゃありませんよーだ!
だいたい、秘密の館の住人の顔面偏差値が高すぎて。
どう頑張っても、凡人の顔である私の顔は見劣りする。
馬車の中で2人きり。
嗚呼、何でこの男と2人で移動しているんだろうと考えると。
具合が悪くなってきた。
私は、窓の外を見ながら地獄のような時間を過ごしている。
イナズマさんと約束をして一週間。
訓練中のサクラが早めに戻って来て、
「ドレスアップするからー」と言って。
いきなり、ドレスを着せられ化粧をしてカツラをかぶって…
舞踏会へ行くような余所行きの格好をさせられる。
サクラが用意したドレスは赤ワインのような深紅のドレスで。
今まで寒色系のドレスしか着てこなかった私に似合うわけないでしょと思ったのに。
鏡を見ると、意外すぎるくらいに似合っていたから驚いた。
「凄い…自分じゃないみたい」
思わず口ずさむと、サクラは「当然!」とドヤ顔で言い切った。
だけど、支度を終えて屋敷を出て。
出迎えてくれた男を見て。
嗚呼、帰りたいと。
家の前にいるにも関わらず、心の中で叫んだ。
以前、仮面舞踏会の時に送り迎えしたときのように。
イナズマさんもお洒落をしていた。
見慣れないスーツ姿に、ポケット部分からは赤い光沢のあるハンカチがはみ出ている。
「…ふうん」
頭のてっぺんからつま先までジロジロ見たイナズマさんの感想は。
ふうん…だけの一言。
どうせ、綺麗じゃありませんよーだ!
だいたい、秘密の館の住人の顔面偏差値が高すぎて。
どう頑張っても、凡人の顔である私の顔は見劣りする。
馬車の中で2人きり。
嗚呼、何でこの男と2人で移動しているんだろうと考えると。
具合が悪くなってきた。