パラダイス、虹を見て。
モヤさんは今まで見たことのないような怖い顔をしている。
ぞっとするような視線に、涙腺がじわりとゆるんだ。
ニコニコ優しいそうなモヤさんじゃなくて。
目の前にいるのは、「世界最強」と呼ばれた騎士としてのモヤさんの表情だ。
「俺達、騎士団だった人間は堂々と胸張って生きていられる人間じゃないんだ。世間では、国を守る偉い人達だって言われてるけどさ」
真剣な表情のままモヤさんは声を大きくして語りだした。
私は両目をささっとこすった。
「生きるも死ぬも、この手にかかってる。騎士団でいるときは何も考えていないのに。引退した今、本気で自分を嫌いになる。反吐が出る」
「モヤさん…」
前に、アラレさんも言っていた。
綺麗な人間じゃないって。私は騎士じゃないから、わからないけど。
そんなにも自分を責めることなのだろうか。
「僕たちは、ヒカリに救われたんだよ」
さみしそうな表情でモヤさんがこっちを見る。
「ごめん。ヒョウのように頭良くないから上手く言えないんだ」
「言っていることは、わかるような気がします」
アラレさんも、モヤさんもつっかえながら懸命に伝えてくれる。
それが嬉しくも、その想いに答えるのは難しい…
「必ず、僕たちがヒカリを守るから。ヒカリはもっと甘えるんだぞ」
さらりと言ったモヤさんの言葉に頬がかぁ~と赤くなるのを感じた。
整った顔して、何てことを言ってくれるのだろうか。
モヤさんのことだから、考えてなさそうだけど。
「どうした、ヒカリ? 顔赤いけど」
「モヤさん。反則ですって。まるでプロポーズじゃないですか…」
手を両手で覆うと、モヤさんは「違うぞ!」と大声を出した。
「わかってますって。ただ、恥ずかしいんです」
ぞっとするような視線に、涙腺がじわりとゆるんだ。
ニコニコ優しいそうなモヤさんじゃなくて。
目の前にいるのは、「世界最強」と呼ばれた騎士としてのモヤさんの表情だ。
「俺達、騎士団だった人間は堂々と胸張って生きていられる人間じゃないんだ。世間では、国を守る偉い人達だって言われてるけどさ」
真剣な表情のままモヤさんは声を大きくして語りだした。
私は両目をささっとこすった。
「生きるも死ぬも、この手にかかってる。騎士団でいるときは何も考えていないのに。引退した今、本気で自分を嫌いになる。反吐が出る」
「モヤさん…」
前に、アラレさんも言っていた。
綺麗な人間じゃないって。私は騎士じゃないから、わからないけど。
そんなにも自分を責めることなのだろうか。
「僕たちは、ヒカリに救われたんだよ」
さみしそうな表情でモヤさんがこっちを見る。
「ごめん。ヒョウのように頭良くないから上手く言えないんだ」
「言っていることは、わかるような気がします」
アラレさんも、モヤさんもつっかえながら懸命に伝えてくれる。
それが嬉しくも、その想いに答えるのは難しい…
「必ず、僕たちがヒカリを守るから。ヒカリはもっと甘えるんだぞ」
さらりと言ったモヤさんの言葉に頬がかぁ~と赤くなるのを感じた。
整った顔して、何てことを言ってくれるのだろうか。
モヤさんのことだから、考えてなさそうだけど。
「どうした、ヒカリ? 顔赤いけど」
「モヤさん。反則ですって。まるでプロポーズじゃないですか…」
手を両手で覆うと、モヤさんは「違うぞ!」と大声を出した。
「わかってますって。ただ、恥ずかしいんです」