パラダイス、虹を見て。
それからモヤさんと、たわいない会話をした後。
私はドキドキしながら話を切り出した。
「あの、モヤさん。ヒサメさんにお礼を言いたいんですけど…」
目を覚まして、ヒサメさんが医者を呼びに行ってからというものの。
まともにヒサメさんと会話をしていない。
お礼を言わなきゃと思いながらも。
なんとなく…機会を得られずにいた。
モヤさんにヒサメさんのことを言うのは結構、地獄だけれど。
このままだとずっとヒサメさんに会えないような気がしたのだ。
「今、呼んでこようか?」
と言って、モヤさんは急に立ち上がる。
「え、今!?」
「あいつ、すぐにどっかいなくなるからね。ちょっと待ってて」
モヤさんは一瞬でいなくなる。
急激に心臓がバクンバクンと鳴るのを感じる。
上手くしゃべれる自信がなくなってきた。
「カスミ? 連れて来たぞー」
5分もかからないうちにモヤさんはヒサメさんの腕を引っ張ってモヤさんがやって来た。
ぎゃぁぁぁと心の中で絶叫する。
ヒサメさんは白いシャツに黒のスキニーパンツという格好だ。
「ヒカリがヒサメと話したいそうだ。あとはごゆっくり」
モヤさんがこれでもかというくらい、にんまりと助平な表情を浮かべて部屋を出ていく。
「何だ、あいつは」
ヒサメさんが睨みつけるようにドアの方を眺めている。
「……」
本人を目の前にすると。
心臓のバクバクは頂点に達する。
「あ、暑いですね。窓開けますかね」
手で顔をパタパタと仰ぎながら、ベッドから這い上がろうとすると
「俺がやるから、そこにいなさい」
とヒサメさんに止められた。
ガラガラと窓が開くと、レースのカーテンがふわりと揺れた。
さっきまでモヤさんが座っていた椅子に、ヒサメさんは座った。
言葉が出てこない。
ヒサメさんの顔を見ると。
ヒサメさんは青白い顔で私の顔を見る。
何か言わなきゃいけないのに。
何も出てこない。
「…体調はどう? 顔赤いけど。熱でもある?」
「え、赤いですか? え、何だろう? 元気です!」
と両手を挙げると。
ヒサメさんは、ぽかんとしている。
ヤバイヤバイ。
緊張しすぎて、何をやっているのか…
「あのあのあの…」
唇がぷるぷると震える。
なんでこんなに冷静になれないんだろう。
カッコ良すぎて、良い匂いがして。
側にいられて、こんなに幸せなんだと勝手に思って。
「好きです」
心に思っていた言葉が、そのまま口が飛び出していた。
私はドキドキしながら話を切り出した。
「あの、モヤさん。ヒサメさんにお礼を言いたいんですけど…」
目を覚まして、ヒサメさんが医者を呼びに行ってからというものの。
まともにヒサメさんと会話をしていない。
お礼を言わなきゃと思いながらも。
なんとなく…機会を得られずにいた。
モヤさんにヒサメさんのことを言うのは結構、地獄だけれど。
このままだとずっとヒサメさんに会えないような気がしたのだ。
「今、呼んでこようか?」
と言って、モヤさんは急に立ち上がる。
「え、今!?」
「あいつ、すぐにどっかいなくなるからね。ちょっと待ってて」
モヤさんは一瞬でいなくなる。
急激に心臓がバクンバクンと鳴るのを感じる。
上手くしゃべれる自信がなくなってきた。
「カスミ? 連れて来たぞー」
5分もかからないうちにモヤさんはヒサメさんの腕を引っ張ってモヤさんがやって来た。
ぎゃぁぁぁと心の中で絶叫する。
ヒサメさんは白いシャツに黒のスキニーパンツという格好だ。
「ヒカリがヒサメと話したいそうだ。あとはごゆっくり」
モヤさんがこれでもかというくらい、にんまりと助平な表情を浮かべて部屋を出ていく。
「何だ、あいつは」
ヒサメさんが睨みつけるようにドアの方を眺めている。
「……」
本人を目の前にすると。
心臓のバクバクは頂点に達する。
「あ、暑いですね。窓開けますかね」
手で顔をパタパタと仰ぎながら、ベッドから這い上がろうとすると
「俺がやるから、そこにいなさい」
とヒサメさんに止められた。
ガラガラと窓が開くと、レースのカーテンがふわりと揺れた。
さっきまでモヤさんが座っていた椅子に、ヒサメさんは座った。
言葉が出てこない。
ヒサメさんの顔を見ると。
ヒサメさんは青白い顔で私の顔を見る。
何か言わなきゃいけないのに。
何も出てこない。
「…体調はどう? 顔赤いけど。熱でもある?」
「え、赤いですか? え、何だろう? 元気です!」
と両手を挙げると。
ヒサメさんは、ぽかんとしている。
ヤバイヤバイ。
緊張しすぎて、何をやっているのか…
「あのあのあの…」
唇がぷるぷると震える。
なんでこんなに冷静になれないんだろう。
カッコ良すぎて、良い匂いがして。
側にいられて、こんなに幸せなんだと勝手に思って。
「好きです」
心に思っていた言葉が、そのまま口が飛び出していた。