パラダイス、虹を見て。
アラレさんからツナギと麦わら帽子を貸してもらい。
その日のうちから、畑仕事を手伝うことにした。
畑を耕したり、草むしりをしたり。
水やりをしたり…
久しぶりの畑仕事がこんなにも楽しいとは思わなかった。
日中は畑仕事に勤しみ、
夜はアラレさんとヒサメさんの3人で夕飯を食べる。
そんなサイクルが一週間続いた。
その一週間で。
この「秘密の館」と言われる住人の秘密をちょっとだけ理解した。
「もとは、この屋敷はね。ユキとヒョウの2人が住む家だったんだ」
と草をむしりながら、アラレさんが説明してくれた。
「ユキはね、とある国の王子様って話で。でも、本当かどうかはわからないらしいよ」
アラレさんの話は、わかるようでわからない。
どこか曖昧な表現に「本当ですか?」と突っ込みたくなるところが幾つかあった。
アラレさん曰く。
ユキさんは、とある国の王子だったけど。
人質としてティルレット王国にやってきて。(人質って本当にいるのかと、そこはアラレさんの言葉を疑ったけど)
王様に「戻っていいよ」と言われたけど。
ティルレット王国をすっかりと気にいってしまい、何故か帰国せずに此処に残ってしまったらしい。
ユキさんと顔見知りだったヒョウさんが、ユキさんの面倒を見るために屋敷を建ててあげて。ついでにヒョウさんも一緒に住むようになったとか。
で、ユキさんやヒョウさんの知り合いやお友達の何人かが、この屋敷で暮らしたりまた離れていったりするのが、この屋敷だという。
現在、暮らしているのは。
ヒョウさん、ユキさん、アラレさん、ヒサメさん。
そして、
「サブキャラ的な感じでもう一人いるんだけどねー。月に1・2度しか現れないのよソイツ」
と面倒臭そうにアラレさんが説明する。
「あの、イナズマさんは暮らしてないんですか?」
「ああ、アイツ? たまに泊まるけど。ここには住んでないよ」
ポイッとアラレさんは雑草を投げた。
お手伝いさんを含め、全員男。
女性禁制だったことから「秘密の館」だなんて呼び名が付いたらしい。
「女性が住めないのは、ヒサメさんが女嫌いだからですか?」
すっかり安心しきって質問すると。
アラレさんは「うーん」と考え込んだ。
ずっとしゃがみ込んでいると疲れるので、立ち上がってストレッチをする。
「ヒサメのこともあるけど・・・うーん…」
なんとも歯切れの悪い返事しか返ってこなかったので。
その時は話題を変えた。
人それぞれ、抱えているものだってあるだろうし、秘密だってあるものだ。
その日のうちから、畑仕事を手伝うことにした。
畑を耕したり、草むしりをしたり。
水やりをしたり…
久しぶりの畑仕事がこんなにも楽しいとは思わなかった。
日中は畑仕事に勤しみ、
夜はアラレさんとヒサメさんの3人で夕飯を食べる。
そんなサイクルが一週間続いた。
その一週間で。
この「秘密の館」と言われる住人の秘密をちょっとだけ理解した。
「もとは、この屋敷はね。ユキとヒョウの2人が住む家だったんだ」
と草をむしりながら、アラレさんが説明してくれた。
「ユキはね、とある国の王子様って話で。でも、本当かどうかはわからないらしいよ」
アラレさんの話は、わかるようでわからない。
どこか曖昧な表現に「本当ですか?」と突っ込みたくなるところが幾つかあった。
アラレさん曰く。
ユキさんは、とある国の王子だったけど。
人質としてティルレット王国にやってきて。(人質って本当にいるのかと、そこはアラレさんの言葉を疑ったけど)
王様に「戻っていいよ」と言われたけど。
ティルレット王国をすっかりと気にいってしまい、何故か帰国せずに此処に残ってしまったらしい。
ユキさんと顔見知りだったヒョウさんが、ユキさんの面倒を見るために屋敷を建ててあげて。ついでにヒョウさんも一緒に住むようになったとか。
で、ユキさんやヒョウさんの知り合いやお友達の何人かが、この屋敷で暮らしたりまた離れていったりするのが、この屋敷だという。
現在、暮らしているのは。
ヒョウさん、ユキさん、アラレさん、ヒサメさん。
そして、
「サブキャラ的な感じでもう一人いるんだけどねー。月に1・2度しか現れないのよソイツ」
と面倒臭そうにアラレさんが説明する。
「あの、イナズマさんは暮らしてないんですか?」
「ああ、アイツ? たまに泊まるけど。ここには住んでないよ」
ポイッとアラレさんは雑草を投げた。
お手伝いさんを含め、全員男。
女性禁制だったことから「秘密の館」だなんて呼び名が付いたらしい。
「女性が住めないのは、ヒサメさんが女嫌いだからですか?」
すっかり安心しきって質問すると。
アラレさんは「うーん」と考え込んだ。
ずっとしゃがみ込んでいると疲れるので、立ち上がってストレッチをする。
「ヒサメのこともあるけど・・・うーん…」
なんとも歯切れの悪い返事しか返ってこなかったので。
その時は話題を変えた。
人それぞれ、抱えているものだってあるだろうし、秘密だってあるものだ。