パラダイス、虹を見て。
 翌日。
 私の頭の中は、「暇、暇、暇!」で埋め尽くされていた。
 何かをしていないと落ち着かないこの性格。
 でも、畑仕事にはいけない。
 朝食を終えて、どうしようとため息をついて。
 部屋に戻ろうと歩いていると。
 目の前から、モヤさんがやってきた。
 モヤさんは黒いツナギを着ていた。
「おう、お姫様」
 口調が酔っ払いの親父みたいに軽かったので。
 むむっと身構える。
「暇だったら、師匠の手伝いしてくれる?」
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