パラダイス、虹を見て。
9.思い出は泡となって消える。
モヤさんとデートしてから一ヵ月が経った。
すっかりと秘密の館での生活に慣れた私は。
畑仕事や庭園の手入れ。
サクラとガールズトークなるものをしたり、お菓子を作ったりと。
のんびりと過ぎて行った。
ヒサメさんに関しては一切の感情を排除しようと決めた。
向こうも話しかけてこない。
ヒサメさんに抱きしめられて。
勝手に意識してしまった私は愚かな人間だと割り切った。
トキメキなんてものは必要ない。
奥さんのことを思い続けているならば、勝手にどうぞ。
「沢山取れたねー」
その日は、サクラと芋の収穫をしていた。
籠いっぱいに芋を入れて。
華奢な身体なのに。
軽そうに、ひょいとサクラが籠を持ち上げる。
「食堂に持って行って、夕飯の材料にしてもらいましょ」
「うん。そうだね」
今日はアラレさんは畑に来ていない。
急用だと行って、朝早くヒョウさんと出かけて行った。
「ついでに、昼食貰ってくるわ」
「あ、よろしく」
昼食は外で食べることが多いので。
お昼ごろ、食堂に取りに行くことになっている。
サクラが行ってしまい。
服についた泥をパシッと払って。
「うーん」と背伸びした。
良い天気だ。
たまに雨は降るけど。
心地よい天気。
一面の青空のもと。
首を左右に倒してストレッチする。
「きゃっ」
後ろのほうで、サクラの声がしたので。
転んだのかと思って振り向く。
「カスミ、逃げて」
「え?」
え、と声を漏らした瞬間、
足に痛みが走った。
すっかりと秘密の館での生活に慣れた私は。
畑仕事や庭園の手入れ。
サクラとガールズトークなるものをしたり、お菓子を作ったりと。
のんびりと過ぎて行った。
ヒサメさんに関しては一切の感情を排除しようと決めた。
向こうも話しかけてこない。
ヒサメさんに抱きしめられて。
勝手に意識してしまった私は愚かな人間だと割り切った。
トキメキなんてものは必要ない。
奥さんのことを思い続けているならば、勝手にどうぞ。
「沢山取れたねー」
その日は、サクラと芋の収穫をしていた。
籠いっぱいに芋を入れて。
華奢な身体なのに。
軽そうに、ひょいとサクラが籠を持ち上げる。
「食堂に持って行って、夕飯の材料にしてもらいましょ」
「うん。そうだね」
今日はアラレさんは畑に来ていない。
急用だと行って、朝早くヒョウさんと出かけて行った。
「ついでに、昼食貰ってくるわ」
「あ、よろしく」
昼食は外で食べることが多いので。
お昼ごろ、食堂に取りに行くことになっている。
サクラが行ってしまい。
服についた泥をパシッと払って。
「うーん」と背伸びした。
良い天気だ。
たまに雨は降るけど。
心地よい天気。
一面の青空のもと。
首を左右に倒してストレッチする。
「きゃっ」
後ろのほうで、サクラの声がしたので。
転んだのかと思って振り向く。
「カスミ、逃げて」
「え?」
え、と声を漏らした瞬間、
足に痛みが走った。