パラダイス、虹を見て。
 溢れてくる涙を何度も拭う。
 顔が熱い。
「場所がはっきりとわかんないし。カスミと一緒に行ったほうがいいでしょ」
「珍しいな、ヒサメ…」
 ユキさんが小さな声で言った。
 暫く黙っていたヒョウさんは。
「わかった」
 と頷いた。
「カスミとヒサメ。あと、イナズマとサクラの4人に行ってもらう」
 ヒョウさんが立ち上がる。
「カスミの義両親の供養をしてくるといい」
「あの、待ってください」
 サクラは手を挙げて立ち上がる。
「私は行ってはいけないと思います」
「どうして?」
「どうしてって…ざいに…ん」
「ねえ、サクラ。君が再び悪さをしたら、君の大切な人がどうなるかってことぐらい、わかるよね?」
 ヒョウさんは低い声で言う。
「クリスがどうなるか…、俺は君を信頼しているから言ってるんだよ」
クリス?

 涙でぐっちゃぐちゃになりながらも。
 サクラの顔を見ると。
 私と同じように、顔色が悪かった。
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