パラダイス、虹を見て。
「・・・なんで?」
疲労困憊しているので。
力なく言うと。
ヒサメさんは「しぃー」と言って人差し指を唇に添えた。
「何でって。貴女、サクラの大切な時間を奪いたいわけ?」
「……?」
「二人っきりにさせてあげよう」
そう言われてしまうと、何も言い返せない。
シングルベッドが二つ置かれた部屋で。
もう、どうでもいいやと思ってベッドに座る。
「それとも、イナズマと同室が良い?」
「それは絶対に嫌です」
前のめりで言うと。
「ほんと、イナズマ苦手だねえ」とヒサメさんが言った。
わかってて言っているから、嫌な人だ。
いつもはサクラが髪の毛を拭いてくれたり、スキンケアの準備をしてくれるのだが。
自分でやらなきゃいけない。
髪の毛をタオルでごしごしと拭く。
髪の毛を短くしておいて良かったあと思った。
「昨日、俺が言ったこと考えてくれた?」
ベッドに寝そべりながらヒサメさんが言う。
「何ですっけ?」
全然思い出せない。
「この世に地獄があるのかってこと」
ヒサメさんは立ち上がると、私の頭をぽんぽんっと撫でた。
「風呂行ってくる」
疲労困憊しているので。
力なく言うと。
ヒサメさんは「しぃー」と言って人差し指を唇に添えた。
「何でって。貴女、サクラの大切な時間を奪いたいわけ?」
「……?」
「二人っきりにさせてあげよう」
そう言われてしまうと、何も言い返せない。
シングルベッドが二つ置かれた部屋で。
もう、どうでもいいやと思ってベッドに座る。
「それとも、イナズマと同室が良い?」
「それは絶対に嫌です」
前のめりで言うと。
「ほんと、イナズマ苦手だねえ」とヒサメさんが言った。
わかってて言っているから、嫌な人だ。
いつもはサクラが髪の毛を拭いてくれたり、スキンケアの準備をしてくれるのだが。
自分でやらなきゃいけない。
髪の毛をタオルでごしごしと拭く。
髪の毛を短くしておいて良かったあと思った。
「昨日、俺が言ったこと考えてくれた?」
ベッドに寝そべりながらヒサメさんが言う。
「何ですっけ?」
全然思い出せない。
「この世に地獄があるのかってこと」
ヒサメさんは立ち上がると、私の頭をぽんぽんっと撫でた。
「風呂行ってくる」