蜜甘同居 こじらせ中 ゾルック 二人目


「俺は、
 目に見えないものは信じないけどな」


「氷牙だって感心してたでしょ?」


「何を?」


「綺月と心美ちゃんがくっついた時。
 俺の見えるオーラが、当たってたって」


「あれは、さすがにビビったけどさ」


「俺には、本当に見えるんだからね」



「でもさ。
 天音が雪那ちゃんと一緒に暮らし始めて
 数か月経ったけど。
 付き合う気配、無くないか?」


「それは、雪那を手放せない俺が、
 邪魔しているからでしょ?」


「天音だって『一生恋なんかしない』って、
 ダンスレッスンの時にぼやいてたぞ」


「運命の相手と恋に落ちれば、
 天音の心も変わるんだよ」

 


 そう。

 雪那の運命の相手は、『天音』




 心に真っ暗闇を抱えているけれど

 磨けば絶対に
 ダイヤモンド並みに光り輝く。


 俺がゾルック入れたいほど、
 内面も外見も、魅力的な男の子。




 
 多分、
 天音と雪那が恋に落ちるのも、
 時間の問題。




 は~。

 二人が結ばれた時、
 俺は祝福できるのかな?




 雪那の特別な笑顔が、
 俺じゃなくて天音に向けられていても。


 俺は
 優雅に微笑んでいられるのかな?


< 37 / 162 >

この作品をシェア

pagetop