蜜甘同居 こじらせ中 ゾルック 二人目
「何、オマエのその動き。
笑い止まんねぇんだけど」
椅子に座ったまま、
お腹を抱えて笑い始めた彼。
いきなりの豹変ぶりに
私の脳は
怖い彼の残像と現実とで、困惑中。
「両手を振って、全否定って。
アライグマが顔洗ってんのかよ」
「小学生でも、そんなことしねぇよな」と
言いながら、片手はお腹を押さえ。
反対の手で、机をたたきながらアハハって。
笑い上戸?
怖い人ではないのかも……
まだ笑いが残ったまま。
下がった目尻で、彼は私を見つめてきた。
サラサラな紫髪からのぞく漆黒の瞳は、
優しく光っている。
――綺麗な顔。
心の声がもれそうになり、
慌てて声を飲み込んだ。