蜜甘同居 こじらせ中 ゾルック 二人目



「そんなんだから、色気出ねぇんだよ。
 これでも食ってろ」



 ん? 

 机に置かれたのって、お弁当?



「これ、万里先輩のお昼ですよね?」


「俺が作った飯、食いたくねぇの?」



 まさかの手作り?
 



 不良っぽい見た目から


 『俺、家事なんてしねぇし!』って

 部屋に食事を持ってこさせる
 イメージなのに。




「万里先輩、料理をなさるんですか?」


「わかりやすく、驚いてんじゃねぇよ!」



 本を乱暴に机に叩きつけ、
 子供みたいにムキになる万里先輩。



 私はフフフと
 笑みをこぼしてしまった。




「どうせ、『まずそう』とか思ってんだろ?」


「思っていませんよ」



 ギャップがありすぎて
 可愛い人なのかもって思っただけです。




「睨まないでください。
 まずそうなんて思っていませんから」


 首を振っても
 万里先輩の顔は曇ったまま。


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