蜜甘同居 こじらせ中 ゾルック 二人目
「千柳さんから……
せっちゃんに伝えてって……
言われたことがあって……」
「何?」
「お弁当……おいしかったって……」
天音君の冷えた声が
私の脳に届いた瞬間。
マグマのように沸き上がった幸福感。
嬉しい!
いつもは、千柳様から
直接言われていたけれど。
他人から聞くのって
こんなに嬉しかったんだ。
天音君も、辛そうな顔で
伝えなくてもいいのに。
「天音君、教えてくれてありがとう」
「それと……もう一つ……」
「まだあるの?」
「『もう千柳さんのお弁当は……
作らなくていいって……』」