蜜甘同居 こじらせ中 ゾルック 二人目



 ……
 ……


 あっ……


 心……壊れそう……




 ハチミツみたいに甘く微笑む
 千柳様を思い出し

 えぐられるように心が痛みだす。




 もう私は、メイドでも何でもない。


 千柳様にとって
 邪魔者でしかないんだった。





 苦しい。痛い。

 心も。頭も。全部全部。



 千柳様を知っている体中の細胞が、
 私の体を痛めつけてくる。




 痛みが涙の雫となって
 こぼれそうになった瞬間。


 恥ずかしそうな声が、
 私の心を救い上げてくれた。




「雪那に……
 ハンバーグを作って欲しくて……」


 ハンバーグ?



「子供たちに……食べさせたいから……」




 万里先輩の口からこぼれた
 予想外のキーフレーズに、驚き。

 涙製造マシーンが、動きを止めた。


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