ぬくもり
小さい頃、おっきなわんちゃんを飼ってた。
大きくても優しい顔をしてて
とっても大人しくて、いつもそばにいてくれた。
泣いてる時なんか、ぴったりわたしに
くっついて、泣き止むまで離れなかった。
もふもふぬくぬく。
寝る時はいつも一緒。
寒い冬はぎゅって抱きしめて
天然湯たんぽだなんてはしゃいでたっけ。
本当に、大好きだった。
大好きで、大好きで。
あの温もりをずっと感じていたくて──
──ん?温もり?
わたしの体が、なんだか温かい。
まるで包み込むような、優しい温もり。
< 1 / 18 >