花が咲いたら恋に落ち、花が落ちたら愛が咲く


 手紙を読むと、そこには俺への想いがたくさん綴られていた。

 話したことはないけれど、俺と栗ちゃんが話しているところをよく見かけて、面白い人だと思ったこと。

 テストでは毎回優秀な成績を修めていて尊敬しているということ。

 重い荷物を持っている女の子を助けているところを見かけて、優しい人だと思ったこと。

 俺の可愛い顔が好みだということ。

 俺自身、いつの間に見られていたんだという驚きのほうが大きかったけれど、まぁ褒められて悪い気はしない。

 文末にはご丁寧に呼び出しの時間と場所が書いてある。


 「なに、それ」


 時間になるまで教室で時間を潰そうと考えて、放課後掃除が終わったあとに自分の席でテキストを広げて座っていると、横から西さんが顔を覗かせた。


 「あぁっと、ラブレター、みたいな? ちょっと呼び出しされちゃって、行かなきゃいけないんだ。先に保健室行ってて」

 「差出人さん、葵くんと仲いい人?」


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