花が咲いたら恋に落ち、花が落ちたら愛が咲く

 「わ、一気に表情変わった。大丈夫だよ、そんなに心配しなくても。普通にぶらぶら歩く分には全く問題ないから。ちょっと人より多めに休憩しなきゃいけないけど」

 「でも! もしなんかあったら絶対言ってね! これ約束!!」


 小指を差し出すと、西さんのそれが絡みついてくる。

 ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます。

 最後の掛け声とともに、ぱっと指が離れていく。

 西さんの体温の代わりに、周囲の熱気がまとわりついてきた。


 「さ、行こう。ここから電車で1時間くらいのとこ」


 日傘をさしてゆらりゆらりと俺の少し先を歩く彼女は、時折こっちを振り返って太陽に勝るくらいの笑顔を見せるのだった。



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