花が咲いたら恋に落ち、花が落ちたら愛が咲く
どれだけ幸せな時間を過ごしても、俺たちは必ず家に帰らないといけない。
お母さんの迎えを待つ西さんと保健室で別れたあと、急に胃のあたりが重くなってきた。なんで俺は幸せを幸せのまま持ち帰ることができないんだろう。
「やだな……」
嫌だと言っても誰も助けてはくれない。痺れるように、急激に脚の感覚が消えていくような虚無感に襲われながら、懸命に脚を動かすしかなかった。