カラフル☆デイズ
プロローグ★colorless
「あさ兄!あさ兄が私の彼氏って、どういうこと!?」
「まひるが自分で言ったんだろ、俺と兄妹の関係でいるのは、もう嫌だって」
あさ兄が手を伸ばし、宥める様に優しく私の頭を撫でる。
こんなことで、絶対に誤魔化されたりしないんだから。
ちゃんと言葉で説明してもらわない限り、絶対に。
今日という今日は絶対に負けるもんか……と、心の中で呟きながら、私の目の前で極上の笑みを浮かべるあさ兄を睨む。
高校生になれば、当たり前の様に自分にも彼氏が出来ると思っていたけれど、なぜ簡単にそう思っていたのか、なぜ単純にそう信じていられたのか。
私の側にはいつだって、あさ兄の存在があるのに、どうしてそんな風に楽観的でいられたのか、その根拠すら今は思い出せない――。