カラフル☆デイズ
「ストーカー、ねぇ……うん、まぁ……そうかもね」
躊躇いがちにではあるけれど、同意の様子を見せてくれた千紗の肩を掴む。
「でしょう!?このままだと、気になって今夜は眠れそうにないから、ちょっと水上くんに詳しく訊いてくる!」
勢い込んで椅子から立ち上がり、水上くんの元へ向かおうとした私に、千紗は、「本当の、本当に、心当たりがないの?」と、何かを窺う様に訊ねてきた。
心当たりも何も……。
水上くんの言葉を思い出してみても、心当たりなことなんて……あ、そう言えば、『社会人の』って言ってたっけ。
社会人……社会人……ん?社会人……?
「あー!!!」
まさか……と思いながらも、私はクラスメイトから注がれる視線を気にも留めず、その場でとっさに叫んでしまった。
たった一つ浮かんだ、限りなく正解に近い“心当たり”に――。