カラフル☆デイズ
どこの世界に、ただ見上げた姿勢の妹見て、キスをねだってる様に見える兄がいるの!?
少なくとも、ここに一人居たけど。私としたことが、これは兄ではなくただの変態だってことをすっかり忘れてた。
「あさ兄に訊いた私が馬鹿だった!」
「まひるは馬鹿じゃないから安心しなさい」
「どこを訂正してんの!?そんなことは、わざわざフォローされるまでもなく判ってるよ!!」
やっぱりあさ兄じゃ、参考になりやしない。
「――まひる」
「何?」
憤ったまま振り返ると、あさ兄が私の方へと手を伸ばし、そのまま私の頬にかかる髪を掬って耳へとかけた。
「さっきみたいに、迂闊に他の男の名前を呼んだりするなよ?」
そう言って、その手で髪を梳く様に優しく撫でてきた。