カラフル☆デイズ

「いつもパンなんですか?お弁当は持ってこないんですか?」


隣を並んで歩く私の質問に深月先輩は答えることなく、私の手元のプリンを見て「太るぞ」と、からかってきた。


「これくらいじゃ太りません!その……先輩は細い子の方が好きなんですか?」


「別に」


「別にって?」


「別にどっちでも良い。興味ないし」


どこへ向かおうとしてるのか、深月先輩はひたすら階段を上り続け、私も自分の教室に戻るのを忘れて先輩に続く。


教室で待っている千紗のことが頭を掠めたけれど、日課でもあるお昼休み中の“彼氏とのやり取り”に夢中で、きっと私が戻らなくても大して気にしないはず。


だからこそ、今日も私一人でプリンを買いに来た訳だし。


そう思うことで、千紗に気兼ねすることなく先輩を優先した。


そして、辿り着いた先は――風はなく、ぽかぽか陽気が降り注ぐ校舎の屋上だった。


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