カラフル☆デイズ

アスファルトが敷き詰められ、その四方を取り囲む鉄柵を背に、深月先輩が地べたに座り込んだ。


普段は立ち入り禁止で扉に鍵が掛けられているとばかり思っていた私は、躊躇(ためら)いに(しば)しの間入り口で立ち止まってしまう。


そんな私の様子など気に掛けることなく、パンの袋を開け始めた深月先輩の元へと思い切って駆け寄った。


私たちの他に生徒はいなくて、音と言えば、微かに聞えてくる生徒たちの声や昼練をしている合唱部の歌声くらい。


先輩は、こんな所まで勝手について来た私に何を訊ねるでもなく、さっきから黙々とパンを口に運んでいる。


先生に見つかったら怒られるんじゃないかと、落ち着かない気分で先輩の横に腰を下ろし、もう一度周囲に誰もいないことを確認した後、ようやくプリンの蓋をペリッと捲った。



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