カラフル☆デイズ
「そういえば、さっき、女に興味がないって言ってましたけど、っていうことは、付き合ってる人はいないってことですよね?」
こっちが黙っていたらずっと無言を貫き通しそうな先輩に、さっきの話を持ち出してみる。
先輩は齧りかけのパンを口元から離すと、「頭ン中、大丈夫か?」と、眉根を寄せた。
「そんなモン食ってるから、頭ン中も柔らかくなんじゃねーの?」
頭が固い人より、柔らかい方が発想豊かで良いと思うけどな。
って言っても、先輩が言いたいのはそういうことじゃないって判ってるけど。
こんな風に馬鹿にされても、以前みたいに頭にこないのは何でだろう?
それどころか、先輩の反応に楽しさすら感じてしまう。
「深月先輩も試しに、一口食べますか?」
この間くれたキャンディといい、今日のメロンパンといい、先輩は甘いのが嫌いじゃないはず。
そう思って、プリンを一口掬って差し出した。