カラフル☆デイズ
「今、俺カレーパン食ってんだけど?」
「それって、カレーパンとメロンパンっていう組み合わせで買う様な人が、気にすることですか?」
「どんな組み合わせで買おうが勝手だろ。二つ同時に口に入れて食う訳じゃなんだし。あー…、それより、飲み物買ってくるの忘れた」
最後の一口を食べ終えた深月先輩が、悔しそうにパンの袋をくしゃくしゃと丸めた。
「日頃の行いが悪い所為じゃないですか?」
私も深月先輩の影響か、そんな皮肉混じりの冗談が簡単に口をつく。
「まひるのくせに、言う様になったな」
先輩は意地の悪そうな笑みを浮かべると、次の瞬間、私の手を取り、少しだけ頭を屈めてその手から直接プラスチックスプーンを自分の口元へと運んだ。
先輩の髪が私の目の前で揺れて、うっすらと先輩の匂いが鼻先を掠める。
重なった手からは、先輩の温もりが伝わってきた。